初めて緑内障治療薬に使用された薬は今も使われていますか?
19世紀後半、初めて緑内障点眼薬としてピロカルピンが使用されました。
縮瞳させる効果を持ち合わせており、現在は継続的な治療のメインにはなっていません。
現在も点眼剤として残っていますが、使い道はどうなのでしょう?
それでは今日は、副交感神経刺激薬について学んでいきましょう。
はい、よろしくお願いします!
概要
副交感神経刺激薬には、直接ムスカリン性アセチルコリン(M3)受容体に作用する直接型のピロカルピンと、コリンエステラーゼ阻害によって間接的にアセチルコリンの作用を増強させるジスチグミンとが存在します。
瞳孔括約筋のムスカリン性アセチルコリン受容体(M3受容体)の刺激によって瞳孔括約筋の収縮が起こると、縮瞳を起こします。縮瞳に付随して隅角を開く作用を持っているため、閉鎖隅角緑内障の治療では、発作治療薬として用いられることが少なくありません。
毛様体筋ムスカリン性アセチルコリン受容体(M3受容体)の刺激によって、毛様体筋の収縮が起こると、繊維柱帯間隔が拡大し、シュレム管からの房水流出が促進されます。
開放隅角緑内障の治療では、縮瞳による暗黒感や近視化などもきたすため日常生活への影響が大きく、また頻回点眼により副交感刺激症状の下痢、悪心嘔吐、発汗などを生じる可能性があり、最近は品用されていません。
現在以下表に示すように、緑内障の治療以外にも多岐にわたる適応があり、様々な場面で利用されています。
参考文献
庄司 純 他 点眼薬クリニカルブック 2020,146-148
岡庭 豊 他 薬がみえる vol.2 2016,381
黒山 政一 大谷 道輝 違いがわかる!同種・同効薬 2015 , 240-241