緑内障治療薬 ~Rhoキナーゼ阻害薬~

Ana
Ana

最近合剤にリパスジル含有製剤が発売されましたが、

合剤にするほど、注目されている成分なのですか?

薬剤師
薬剤師

第一選択との併用で、眼圧降下効果が良いと報告がある薬なんですよ。

Ana
Ana

そうなんですね、詳しく知りたいです!

薬剤師
薬剤師

それでは今日は、Rhoキナーゼ阻害薬について学んでいきましょう。

Ana
Ana

はい、よろしくお願いします!


概要

 リパスジルは他の緑内障治療薬とは全く新しい作用機序をもつ薬剤として開発され、第一選択のPG関連薬やβ遮断薬では眼圧降下効果が不十分な際の追加薬として有用です。

Rhoキナーゼは、毛様体や繊維柱帯、血管に発現しており、平滑筋収縮や細胞骨格の形成に関与しています。繊維柱帯では、シュレム管のフタを強化し、房水を流れにくくさせる効果があります。

リパスジルはRhoキナーゼを阻害する事により、繊維柱帯ーシュレム管の繊維柱帯細胞、細胞外マトリックスの構造が変化します。そしてシュレム管からの房水流出を促進させ、眼圧を降下させます


特徴

 効力は中程度で、投与2時間後に最大の眼圧降下効果を示します。

β遮断薬、PG関連薬と相加効果があり、眼圧をさらに0.5~1.0mmHgほど降下させる効果が報告されています。

 全身副作用は明らかではありませんが、一過性の結膜充血が70%以上に見られます。


参考文献

庄司 純 他 点眼薬クリニカルブック 2020,148

岡庭 豊 他 薬がみえる vol.2 2016,382

中原 保裕   2020-2021 処方がわかる 医療薬理学 2020,344

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