今日は緑内障治療の追加薬について教えてください。
それでは適応に注意が必要なα2受容体刺激薬についてみていきましょう。
はい、よろしくお願いします!
作用機序
α2受容体刺激薬は、選択的にα2受容体を作用することで房水産生の抑制、副経路を介する房水産流出の促進により、眼圧を降下させます。
ブリモニジンは選択的α2受容体刺激作用による房水産生の抑制、副経路を介する房水産流出の促進により、眼圧を降下させます。この他に、視神経保護作用の可能性が示唆されており、緑内障治療効果が期待されています。
なお、単独での眼圧降下効果はβ遮断薬に対する非劣性が確認できず、治療の第一選択ではなく、PG関連薬使用で効果不十分なときの併用薬として承認され、正常眼圧緑内障に用いられることの多い薬剤です。
一方、アプラクロニジンは、選択的α2受容体刺激作用による房水産生の抑制により、眼圧を降下させます。レーザー治療や、眼内手術後などに見られる一時的な眼圧上昇に対しての予防的使用薬に限定されており、通常の緑内障薬としては承認が得られていません。理由としては、長期的な使用により眼圧降下効果に耐性が見られ、またアレルギー性反応の出現が報告されているためです。
※ アドレナリンのプロドラックであるジピベフリン塩酸塩(ピバレフリン®)は非選択的交感神経刺激薬(非選択的にαβ受容体を刺激し眼圧降下効果を発揮する)として臨床現場でも使用されてきました。しかし現在は、販売中止のため治療薬として使用されなくなりました。
副作用
非選択性のα受容体刺激薬でみられた強い血圧降下作用や、口内・鼻腔内の乾燥などの全身的副作用や、局所でのアレルギー反応は、α2受容体への選択性が向上し、軽減しました。しかし、まれにα2受容体作動薬の全身的副作用である、眠気、めまい、徐脈などが現れることがあり、注意が必要です。
また、点眼開始3か月以降にアレルギー性の結膜炎や、眼瞼炎が増加する可能性があることが報告されています。
ブリモニジンは、角膜障害を軽減することを目的に防腐剤の亜塩素酸ナトリウムを使用されています。
参考文献
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中原 保裕 処方がわかる医療薬理学 2020.344
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